コミュニティケアとリーダーシップ
初めてブログ・デビュウする高瀬です!コミュニティケアに埋もれる毎日です。
今日は、数日前に初めて医師会のソーシャルワーカーから要請を受け診た「便器に落ちて動けなくなった老女と二十数年ひきこもりを続けている中年女性」のご家庭を再度訪問しました。なぜかと言いますと先日、「身体的にはなんとか訪問看護と一緒であれば在宅でみられると判断した老女」と「視力が最近落ちいわゆるメタボリック・シンドロームが未治療のままあり絶対に入院適応だと思いながら本人は拒否している娘」というからみついた毛玉のような家族の図式をどのように解いていくか頭を悩ませ解決の糸口を私の心が渇望していたということと、もっと原初的にはもちろん自分の判断が誤って二人ともどうにもならない状態になっているのではという私の不安を払拭するための確認を行いたかったということです。
幸いお二人はなんとか今までの暮らしを再開されていました。もしや入院が必要になるかもしれないと考えていたところ、近くで精神科、内科を標榜されている病院にたまたま院長である医師が在院されていたので診察後このご家族についてご相談することができました。ひとしきり話しが終わったところ「先生、医師自身が動くと地域のソーシャル・ワーカーがそれにたよりすぎて自分で考え、自分で動くことをしなくなるからコミュニティ・ケアの力が育たなくなるので、そのあたりは充分考えて行動しないとだめですよ!私は3年後に組織と人材が育ってくると考え今から準備しているんです。」と優しくも厳しい助言を受けて普段自分が動くことが使命と考えがちな私にとってはイタイご意見でした。自分の考えの浅さとコミュニティをケアしていくこと深さに対する覚悟がまだまだ足りないと反省しきりでした。
話は変わりますが、私も開業して約1年と数ヶ月になります。自分が「アリのように」地域を這い回ることはけして嫌いでないので大変楽しくもありました。もちろんいろいろな試練がありました。けれど多くの人々のご縁をえて内容はまだまだですが何とかなっています。ともかくこれからいろいろな面でリーダーシップを試される本当の試練の時だと感じています。
私が多くの若い友人たちが海外、特に海外で臨床研修することをお手伝いしたくなるのは、「自分にその力がないこと」のほか、上記のような「日本の医療・介護の現場におけるけしてスマートとは言えないような意思決定の現状とは別の意思決定の方法があるのか」非常に気になることがありました。そこが医療・介護の日常における診断・治療プロセスにおける意思決定の場面で、医師としての自己決定としてのキャリアプラン上でリーダーシップとはどういうものかということはついてまわります。
そこで私にとって日本よりもスマートにみえる北米の医療現場を経験してきた医師たちの意思決定の方法に何か共通点があるのかが大変興味をひくところです。つまりこのリーダーシップというものを「鳥瞰図的に」みたいという欲望が自分の中にあるのだと思います。もちろんこの意思決定・リーダーシップという言葉の意味が洋の東西でまったくといっていいほど違うということは前もって理解してからこの問題をとらえなければならないと思ってはいます。
さて、この思いをもって先日10月2日に開催された2005日米医学医療交流セミナー【米国の医学教育と臨床留学への道】に望みました。結果は北米で臨床研修をのぞまれる医師でなくても大変エキサイティングなものでした。USMLEの具体的な取得の仕方について解説をKaplan Educational Center Japanより頂いた後、独立行政法人国立病院機構の伊藤澄信先生の座長でしょっぱなから東海大学医学研究所・日本学術会議会長の黒川清先生がガツンときました!
「一番大事なのはさー、自分がどういう医者になりたいかなんじゃないの?違う?パッションが大事なんだよね。自分は何を考え何をしたらよいか?これが目的なんだ!留学なんかそのための手段だろ!手段と目的が逆なんだよ!私はこれを言い続けているんだ!」
「アメリカの医療の教育現場はそこに関わるすべての人々がコイツを何とか人の役に立つ医師にしてやろうという態度でけして甘くはないが接してくれる。」「アメリカの教育現場ではどんどん質問できる。『悪い答えはたくさんあるが、悪い質問は一つもない。』ってことだね。恥ずかしがらずどんどん質問しなさい。そしてそこで勉強したがことが自分の体にしみこんでいく感じは何ものにも変えがたいよ!」
「今の日本の医学アカデミズムにかけているのは『スキーム』『大きなビジョン』でしょう?それができてもっと『形成的なプロセスが増えていきそれがオープンにされていくことが重要』でしょ。学位とか専門医よりもむしろ日常の『このことに対する責任は?』『このことをするための財源は?』という質問にマズ、キチンと答えられうることが大事じゃない?その上で『医師それぞれの存在が大事となり、お互いが尊敬できうる医師社会の実現』が日本の医学医療社会の目標だね。」
「そして学んだ知識をどのように使うかがもちろん大切!HIV4000万人の現状、中国では水のほうがガソリンより高い!ということを知り、つまりグローバルにみてどうで日本ではどうかという視点をもつ。ヘルス・ケア・ポリシーという視点をもとう!」最後は「できない理由を考えるのではなくできることを考え早速実行してほしい!あとは http://www.kiyoshikurokawa.com をみろ!」という言葉で締めくくられました。
その迫力で200人の会場は圧倒されました。それ以後も面白いプログラムが目白押しで黒川先生も「おれは急がしいんだ!」と言いつつ最後の懇親会までいてくださいました!ブラボー!!「自分を高め、医療をよくしよう」という勇気が湧きますね!!次回に続く・・・
10月13日 | ↑TOP

